永住権とは外国人に許可される在留資格の一種です。永住権を得た外国人は「永住者」として外国籍のまま在留期間の制限なく日本に住み続けられます。永住権は就労等で許可される範囲が広がる反面、日本で最も取得難度が高い在留資格とされています。では、難度が高くなるその理由は何でしょう。ここでは、永住権取得の要件と申請についてまとめました。
1. 日本の永住権とその在留資格の範囲
2. 永住権の取得申請ができる人の条件
- 取得申請できる対象者
- 永住が許可されるための要件
3. 永住権の申請方法
1. 日本の永住権とその在留資格の範囲
永住権は、既に在留資格を有する外国人が永住者への在留資格の変更を希望する場合に許可される資格です。永住許可は、出入国管理及び難民認定法の第22条に定められており、要件を満たした外国人が取得申請をして、且つ、適合者と認められると、永住許可を受けることができます。永住権を取得した永住者には、以下の在留資格と活動が認められます。
永住権で認められる在留資格と活動
・在留期間に限定はなく、無制限に日本に滞在できる。
・就労できる業種に制限はない。就労しなくてもよい。
・職種に関係なく転職ができる。
・査証の更新は原則不要。(在留カードの更新(7年に一度)のみが必要。)
・配偶者と未成年の子供を呼び寄せられる。
(親や兄弟等の親族の帯同は特別な事情を除き不可。家事使用人の帯同は不可。)
2. 永住権の取得申請ができる人の条件
● 取得申請できる対象者
継続して日本に在住している外国人が対象です。
永住権の申請者は、10年以上日本に継続在住していることを原則としています。その期間のうち、就労資格または居住資格をもって引き続き5年以上日本に住んでいることを条件に申請できます。ただし、特例により10年より短い期間の在留で申請できる場合があります。特例の対象者は、「日本人・永住者の配偶者」「高度人材外国人」「難民認定者」等です。
特例で有効とされる在留期間は、それぞれの状況次第です。具体的には、「日本人・永住者の配偶者」は婚姻関係が3年以上続いている者、「高度人材外国人」は高度を定めるポイント制度において70点以上の者なら3年、80点以上なら1年、という在留期間が必要です。難民認定者の場合は5年以上継続して日本に在留していることが条件となります。
● 永住が許可されるための要件
永住権取得の申請にあたり、法令で定められている基本的な要件は、「良好な素行」「安定した生計を営む能力」「日本への貢献」です。そのガイドラインは、出入国在留管理庁によって明示されています。
参考:永住許可に関するガイドライン(令和7年10月30日改訂)
出入国在留管理庁
https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyukan_nyukan50.html
(1) 素行が善良であること
(2) 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
(3) その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
(1) 素行が善良であること
法律を守り、社会的に迷惑をかけずに生活を営んでいることが条件です。その証明の範囲には、過去に犯罪歴(刑罰歴からの経過期間中)がないこと、重い交通違反がないこと、納税・社会保険料の滞納がないこと、入管法違反がないこと等が含まれます。また、配偶者等の本人以外の不法就労の過去までが判断の対象とされます。
(2) 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
生活に困らない安定した収入、資産があることが条件です。安定した収入の基準は、年収300万円以上といわれています。さらに、扶養家族がいる場合は、その人数に応じて加算された額が基準となるでしょう。技能の保有は、安定した生計を立てられるという立証となります。
(3) その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
日本での社会的または経済的な活動等で貢献していることが条件です。次のような該当者であり、且つ,日本での社会生活で5年以上の間に問題を起こしていないことが条件です。
参考:「我が国への貢献」に関するガイドライン (平成29年4月26日改定)
出入国在留管理庁
https://www.moj.go.jp/isa/content/930002484.pdf
「我が国への貢献」に関するガイドライン内容の一例:
・日本の上場企業または同程度の規模を持つ日本国内の企業の経営におおむね3年以上従事している
・日本国内の企業の経営におよそ3年以上従事したことがあり、その間に継続して1億円以上の投資を行うことで日本の経済又は産業の発展に貢献した
・ 医療,教育その他職業活動を通じて,日本社会又は地域活動の維持,発展に多大な貢献をした
・日本政府、地方自治体に関わる委員等に任命され、公共の利益を目的とする活動を約3年以上行った
・ 国際機関や外国政府又の機関から,権威ある賞(例:ノーベル賞,フィールズ賞)を受けた
・ 日本政府から国民栄誉賞、文化勲章等の賞を受けた
3. 永住権の申請方法
永住権取得の申請は、出入国在留管理局に必要書類を提出することで行います。申請に必要な書類の項目は以下の通りであり、提出物には「住民票」「所得・納税証明」「年金・保険料納付証明」「職業証明」「身元保証書」等、多数の書類が含まれます。「犯罪経歴証明書」のような外国語の証明書類は日本語訳の添付が必要です。提出が必須となる書類は申請者の置かれた状況(高度人材の在留資格者、日本人の配偶者がいる者等)で異なるため、詳細は出入国在留管理庁のウェブページより確認してください。
参考・引用:永住許可申請
出入国在留管理庁
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/zairyu_eijyu01.html
永住権申請に必要な提出書類
(日本人・永住者の配偶者、子供がいる場合に必要な書類を含みます。)
1. 永住許可申請書
2. 写真(縦4cm×横3cm)
3. 身分関係を証明する資料
4. 申請人を含む家族全員(世帯)の住民票
5. 申請人又は申請人を扶養する方の職業を証明する資料
6. 直近(過去3年分)の申請人及び申請人を扶養する方の所得及び納税状況を証明する資料
7. 申請人及び申請人を扶養する方の公的年金及び公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料
8. 申請人の親族一覧表
9. パスポート(旅券)又は在留資格証明書 (の提示)
10. 在留カード(の提示)
11. 身元保証に関する資料
12. 身分を証する文書等(の提示)
13. 了解書
申請が認可されるためには、永住するに相応しい人物であることを確実に証明できる書類の提出が不可欠です。入念に準備を整えた上で申請に臨みましょう。当社では、英語対応が可能な司法書士のご紹介も行っております。ご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。