購入した不動産を賃貸に出す時の注意点

2026年03月11日 更新

購入した不動産の賃貸をお考えですか?貸付事業としての賃貸だけでなく、個人が自宅を貸し出したい等、様々な形態で賃貸を考えている人がいるのではないでしょうか。現在、不動産を賃貸に出すにあたり特別な資格は不要ですが、いずれの用途であっても法律に遵守することは必須です。ここでは、賃貸を始める前に知っておきたい注意点と事前準備のポイントについてまとめました。トラブル回避の予備知識としてお役立てください。

1.  不動産の賃貸を始める前に知っておくこと
2. 賃貸の条件・契約内容を決める際のポイント
3. 家賃収入への課税について
4. 不動産の貸し出しまでの流れ

1. 不動産の賃貸を始める前に知っておくこと

購入した不動産の賃貸を始めるための資格は不要です。

居住用の不動産を貸し出すにあたり、現在のところ特別な資格はありません。法律に遵守すれば、所有している不動産を賃貸に出すことはできます。賃貸に関わる主な法律は「民法」「借地借家法」です。貸付業者はもちろん、個人が自宅を賃貸に出すケースでも基本的に同法律に遵守することになります。

住宅ローン返済中の自宅の貸し出しなら、先ずは金融機関に相談。

住宅ローンは自身の居住用のローンであるため、賃貸への転用が禁止されていることがあります。金融機関の承諾なしに貸すと契約違反となり、一括返済を求められる恐れがあります。場合によっては投資用ローンへ切り替えることになるので、必ず金融機関に相談します。

バケーションレンタル(民泊・貸別荘)は“住宅の賃貸”とは異なります。

ホリデーで家を空ける等で、数週間だけ自宅を宿泊施設として貸し出す場合では、居住用の賃貸業でなく「住宅宿泊事業法(民泊新法)」等の宿泊に関連した法律が適用されます。バケーションレンタルは、民泊新法で年間180日の営業日数制限を受けつつも宿泊業を営む事業の扱いです。消防法、建築基準法、各自治体の条例遵守に加え、国土交通大臣へ申請して「住宅宿泊管理業者」の登録をする必要があります。

貸付事業者として税務署への登録が必要・不必要な場合あり。

不動産賃貸を事業的に開始する場合、税務署への事業者としての届け出が必要となります。ただし、貸し出す不動産が小規模である場合は事業としては認定されず、事業登録の届け出は不要です。貸付業として認定される基準は、棟数10以上の戸建て、部屋数10室以上のアパート、駐車台数10台以上の駐車場等です。例えば、戸建ての自宅1件のみを貸すという場合は、貸付業と認定されないでしょう。

2. 賃貸の条件・契約内容を決める際のポイント

賃貸の規模に関わらず契約書は必要です。

賃貸に関する法律は、主に借主の保護を目的に制定されており、貸主が一方的に有利な立場で貸し出すことを厳しく制限しています。例えば、貸主からの突然の退去命令によって借主が住む場所を失ってしまう、あるいは、相場と乖離した高額の家賃を突然請求されることがないよう定めています。借主が法律で保護される一方、貸主側は不利にならないための対策が必要なため、借家契約を結んだ上で賃貸します。

賃貸の目的に合わせて借家契約書を作成する。

借家契約書を作成することは、貸付業はもちろん、個人的な貸し出しでも不可欠です。特に自宅を短期間だけ貸し出す際、思わぬトラブルに発展する可能性があります。一般的に借家契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」という2つの典型があり、賃貸の目的に合わせて選択します。

普通借家契約:長期の貸し出し向き
借主が希望すれば契約は自動的に更新されます。貸主からの解約は、正当な事由(物件が古くなって、ご入居者に危険を及ぼすので取り壊す等)がない限り認められません。安定的に長期貸し出しができる一方、何らかの事由で借主に退去を求めるとなった場合に、解約に応じてもらうのが難しくなります。

定期借家契約:短期の貸し出し向き
契約によって賃貸期間が明示され、更新されずに賃貸は終了します。原則的に契約の自動更新はなく、貸主は正当な事由なしに契約期間の終了時に退去を求めることができます。将来的な使用又は売却を検討している自宅の貸し出しでは、定期借家契約がお勧めです。例えば、転勤などで長期不在になる自宅を一時的に貸し出し、数年後に戻ってまた居住する、或いは売却するという場合に、契約に基づいて借主に退去を求めることができます。長期で住みたい方には敬遠される可能性はございます。

使用のしかたも条件に加えて明確にします。

契約を結ぶ際、敷金等の金銭に関わる要項の確認はもちろん、ペット可否、喫煙不・可、事務所使用不・可などの条件も明示しておきましょう。貸主側には賃貸物件の修繕義務があり、建物や設備の修理に掛かる費用(例:雨漏り、給湯器の修理費)は原則的に貸主の負担になりますが、借主の過失によるものは借主の負担です。賃貸契約を結ぶ際に原状回復の義務を明確にしておきたいところです。

無断で又貸しされないように契約面で対策を。

借主が借りている物件を貸主の許可なく他者に貸し出す「又貸し」(転貸)は法律で禁止されています。承諾無しに又貸しされないよう、契約書に明示しておきましょう。

3. 家賃収入への課税について

貸付業者でなければ事業税はかかりません。

不動産賃貸を事業として税務署に登録している場合、事業税が課税されます。しかし、貸し出す不動産が小規模で、貸付事業として認定されていない場合、事業税はかかりません。

不動産所得に対しての納税義務はあります。

貸付業に認定されていない賃貸であっても、家賃収入があれば納税義務は発生します。賃貸による年間の収入が20万円を超える場合、所得税が課税されるので確定申告が必要です。確定申告は年度末となる2月16日~3月16日の間に提出します。申告にあたり覚えておくべきは、固定資産税、火災保険料、管理会社への管理委託手数料等は経費として計上できる点です。賃貸用部分であれば修繕に掛かる費用も経費計上できます。

ご自身での確定申告が難しい場合はご相談ください。当社では英語対応可能な税理士のご紹介もしております。

4. 不動産の貸し出しまでの流れ

上記の注意点とポイントに合わせて、不動産を貸し出すまでの手順をまとめました。
全体の流れを把握するのにお役立てください。

1. 不動産を貸し出せるかを確認
2. 賃貸の形態と条件を決める
3. 契約内容を決定する
4. 賃貸する物件を準備する(清掃、リフォーム、原状回復のための記録(証拠化)等)
5. 入居者募集、入居審査
6. 契約(賃貸借契約を結ぶ、重要事項を説明)、引き渡し

(開始後
・管理:集金、クレーム対応
・物件の清掃・修繕(退去時)
・確定申告・納税

賃貸に出すまでの手順で、個人オーナーが自身で対応できる手続きはありますが、契約書の作成、入居審査、トラブル回避等には専門知識が求められるため、管理会社に委託するのが無難といえます。当社では、賃貸募集、その後の賃貸管理、およびリロケーション時の留守宅管理等もおこなっております。賃貸での貸し出しのご相談はもちろんの事、留守宅の管理でもお気軽にお問合せ下さい。

SNSでシェアする

新着記事

購入した不動産を賃貸に出す時の注意点

購入した不動産を賃貸に出す際に、知っておくべき注意点と事前準備のポイントに...

日本の永住権を取得するには | 外国人向け生活・就労ガイド

日本の永住権の取得によって許可される活動と、取得申請に求められる要件について。